六畳間の窓枠

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公務員 中田忍の悪徳7巻 感想

仲田忍を取り巻く現状の変化、もしくは爆弾的な展開が次巻には存在しているんじゃないか。

6巻のラストと立川先生の「8巻完結」の話の時点で考えていましたが、いざ蓋を開けてみれば仲田忍を取り巻く環境や感情への決着。その号砲と言える内容がこの一巻に凝縮されており本当に凄まじかったです。

濃密に、全てを暴く勢いで描かれるヒロイン達の感情と、その中で今まで以上に揺らぐ仲田忍。

ぶっちゃけ内容が内容なのでかなり読むのに時間を要しましたが、それでも最後まで読んで良かったと、そう思える内容でした。

 

そんな訳で、「公務員、仲田忍の悪徳 7」の感想です。

今回は主にアリエル、由奈、環に主なスポットが当たってる回でしたが、前々からちょいちょい忍への感情を示唆していた環はとにかく.....どころじゃない。「そ、そこまで行くのか.....!?」と読んでいてたまげたレベルの行動を取りましたが、由奈の過去、そして現在に至るまでの過程やその過程の中で埋没させていた好意の気持ちまでキッチリ描き切った事が凄く驚いた部分でした。

今までの忍を揶揄う様な言動も、失恋─無自覚に、でも自覚的だった感情─のショックの感情が反転してしまったものだと判明した今となってはかなり辛いモノがある.....

忍があの時別の言い方をしていたなら由奈の態度も、そして「仲田忍の悪徳」の話もまた別の形になっていたんじゃないか。など色々なIFは想像出来ますが、それは過ぎてしまった過去だし、あの言い方をしてしまった結果生じた紆余曲折な関係性が続いたからこその今があったのかなとも。

それが良いか悪いかは由奈によりけりだとは思いますが、読み手側に居る自分としてはしっかりと向き合った上であの結論に至れたのは良かったんじゃ無いかなと。そう信じてやみません。.......ただ、この物語が終わる時の重要な部分で由奈は関わってきそうだなって気もします。

反対に、環はそうした失敗で一度は折れるも、それを糧に新しい忍との関係性を築いたのはある種の若さから成せるものでもあるし年齢は違えど忍と曲がりなりにも正面から向き合っていたからなのかなと。

新しく出来た同学年のご学友の方も大切に、そして良い関係性を築けたら良いですね.....こうやって世界が広がっていく事ってとても良い事だと思うので。

 

そしてアリエルも刻一刻と終わりの時が近づいていますが、環の指摘で改めてハッとさせられましたね。言われてみればそうか!と唸らされました。

ナシエルの正体は恐らく忍の記憶の中の人物だと仮定して、かなり意識的に描かれていた「瞬きをする」描写と同関わりがあるのか見えてこない.....意識のリセット?うーん....

今回の巻で大体の関係に決着が付きましたが、まだ実像での未登場のナシエルとか由奈絡みの話(こっちもまだ終わってなさそうだし)、そして謎の全てが最終巻で一気に回収出来るんですか!?本当に!?

とにかく、発売も間近な中田忍の悪徳8巻が楽しみですし、7巻も本当に面白くそしてのしかかる様な重さを感じれた内容でした。